コロナにも暑さにも負けず!
少し前の話ですが、5月5日はこどもの日でした。
この日に柏餅を食べるのは日本独自の風習ですが、柏は新芽が出るまでは古い葉が落ちないことから「家系が絶えない」縁起物として広がりました。
”かしわ”と聞くと、肉を思い出す人はいませんか。かしわ肉とは何の肉の種類を表すかご存じでしょうか。
正解は鶏肉です。
鶏肉=かしわ、馬肉=さくら、鹿肉=もみじ、猪肉=ぼたん。この4つの共通点はすべて花の名前ですが、さて、なぜ肉に花の名前をつけたのでしょうか。
肉に別称がつけられたのは、今から約330年前、江戸時代前期まで遡ります。江戸時代第5代将軍、徳川綱吉によって施行された「生類憐みの令」により、生き物を食べることが禁忌とみなされるようになりました。
犬や猫が特別な寵愛を受けたと知られていますが、保護対象は鳥・魚・昆虫など多岐にわたり、もちろんそれまで食用として扱われていた家畜や野生の殺生も禁止されました。
その禁令の徹底と処罰の厳しさが増す中で、民の苦肉の策として始めたことが、肉類に別の名前ををつけて周りの認識を変えること、畜産を営む者は「さくら」や「かしわ」、狩猟を生業にする者は「もみじ」や「ぼたん」と、肉を植物の名前に変え、市場に流通させ、民も処罰の対象にならないように”植物である”と言い換えながら購入していました。
この言い換えは”肉の隠語”と呼ばれ、人々に深く浸透し、禁令が廃止された後も広く使われ、現代まで受け継がれています。
※ただし、かしわ肉の呼称はほとんど西日本にしか残っていないと言われています。
どの時代であっても「食」は必須で、人々の生活にはなくてはならないものです。
このコロナ禍も、免疫力を食から高め、乗り越えていきたいものです。